私が生まれて、高校卒業までを過ごした家は、築100年を越える古い家でした。
家も築100年を越えると、何か変なモノが家族とともに住み着くものなのかも知れません。

私がいつからか、おかしな独り言を言うと、母が言い出した事があって、独り言はやめなさい、と怒られて、独り言を言うのをやめました。
それからしばらくして、妹も独り言を言う事があって、妹も、母から怒られてやめましたが、
「そんな事言ったって、もう一人子供がいるから、その子に話しかけられて、返事をしただけなのに」
と、私が言うと、妹は、
「子供じゃないよー!女の人だよー」と言い返しました。
不思議な事に、弟には見えなかったようですが、私と妹には、それぞれ違う何かが見えていたようです。私には、コロコロ太った男の子が見えていたし、妹には、半分透き通った女性が見えていたようです。
見えかたも違うんです。
私が見ている子供は、普通にそこにいるように見えるし、実際その子が歩くと、普通の生きている人が歩くような音がするのです。
妹が見る女の人は、体半分が透き通っていて、いつも壁につけて置いてあるオルガンの上に座って、妹を見つめているのだそうです。
引っ越して、もうその家はありませんが、私の見た夢の中に、がらんどうになった家の中が出てきて、その家の中に、私が見ていた子供がいて、私を見ると、顔を隠して部屋の壁に消えていきました。
私は、とても寂しい気持ちになったのを覚えています。
ちなみに妹に、何か夢を見たか、と聞いたところ、何の夢も見てない、と答えました。

私が、生まれて初めて幽霊を見たのも、その家でした。
初めて見た幽霊は、子供ではなくて、性別は男性で、全身緑色で、スーツを着て、昔の帽子をかぶって、家の中を横切って行きました。私は、慌てて追いかけましたが、祖母の寝室に消えていきました。
これは、弟も見た事があったようで、弟の場合は、ピンク色だったようです。やはり男性で、スーツに、昔の帽子をかぶっていたそうです。
「姉ちゃんは、ばあちゃんの寝室で見失ったのか?俺は仏壇の前で見失ったぞ!」
と、弟は、言いました。
それだけではありません。テスト前に夜中まで起きて勉強をしていると、天井に何か気配を感じる。
見たくないけど、やっぱり気になる。
決心をして、えいっ!と上を見ると、線香などつけていないのに、線香の煙のすごく濃いのが、天井いっぱいユラユラしていて、
「寝よう!これは絶対寝た方がいい」
と、思って、蒲団の中に飛びこんだ事もあります。

古い家でしたから、やはりそんなものも住み着く事もあったのでしょう。
でも、悪いものではなかったのだと思います。