今から30年ほど前の小学校6年生の夏の事です。当時は心霊番組が流行っていたこともあって私の通っていた学校にもいろいろな噂がありました。
トイレから手が出てくるとか今にして思うとよくある噂ばかりだったのですが、当時は面白半分に怖がってきゃあきゃあ言っていましたが、そのうちに噂の1つの誰もいない音楽室からピアノの音が聞こえてくるというのを確認しに行こうという事になりました。
家の人には星座の観測をすると言って夕方の6時半に5人が学校に集合しました。学校は誰も居なく最後に鍵が締められる職員の出入り口には鍵がかかっていた ので、安心して肝試しをはじめました。木造の古い学校だったのでトイレの鍵が一か所壊れたままになっており、そこから入って行きました。そのトイレから学 校に入ると音楽室はちょうど反対側の一番奥になります。私達は鍵を開けるとそろそろと進みはじめました。校舎の中は外に比べるとずっとうす暗く、雰囲気は 満点でした。誰もいない校舎はそれだけで怖いのですが、同時にわくわくしながら小声で話しつつ音楽室を目指しました。
音楽室は鍵がかかっていまし たが、窓からのぞくと誰もいない教室の中にピアノが見えました。やっぱり嘘だったねと笑っていると、音楽室の向かいの図書室から椅子をひくようなカタンと いう音が聞こえました。とたんにビクッとした私達でしたが、1人が大丈夫だよと図書室の窓から中をのぞきました。
その子の横顔が見える位置に居た 私にはその子が驚いたような顔をしたのが見えたのですが、その子はみんなに「何もないよ。誰かに見つかるとまずいから静かに行こう」といい、私達は音をた てないように廊下を戻りはじめたのですが、気になって後ろを振り返ると図書室の窓からこちらをじっと見ている顔が半分だけ見えました。あっと思った瞬間、 図書室をのぞいた子が手を握って来て早く行こうと言いました。その頃は廊下もかなり暗くなっていて、戻るまでがとても長く感じました。
あとで図書室をのぞいた子に確認すると、図書室の奥の方の机に座っている男の人の後ろ姿が見えたそうです。もうかなりうす暗くなっているのにその人の姿だけがはっきり見えてこれはおかしいと思い、鍵をみたら外からかかっていたのでぞっとしたそうです。
あとで調べてもその学校で事故などで亡くなった人はいなかったので、あの男性が誰だったのか、なぜ図書室にいたのかはわからないままでした。その学校も今は廃校になって地域の集会所のようになっています。