今から8年ほど前です。
私は、飲食店の配達を担当していました。
運転は苦手でしたが、その時の店舗勤務者に免許を持った人がおらず
仕方なしに少し離れた公園までお弁当を届けることになりました。

お弁当の準備が整い、車の荷台に積み込みました。
「11:45までに届けます」と確認をし、車に乗り込みました。
その公園は、店舗のある都市部から山を二つ超えたところにあり
夜は人がきわめて少なくなり、明かりもあんまりないような道を超えていかねばなりません。
途中に造船所があるのですが、それを超えたもっと田舎にあります。
つまり、都市部には場所がないため、人里離れた場所に造られた、広い運動公園です。

私は、順調に車を運転していました。
この分だと、15分前には到着だわと鼻歌まじりで車を走らせました。
あれは、二つ目のトンネルが見えた瞬間でした。
まじかよ。と私は青ざめました。
トンネルを含めた山全体がセピア色というか色がないように見えたのです。
思いっきり、「来るな」と拒否されているのがわかりました。

視線を感じたため
私は思わず、足元を確認しました。
そして、車内全体を見渡しました。
足元や後ろの席にに何かいるんじゃないかと心配になっていたからというのもあります。
結果、何も見えなかったのですが、私の脳裏には苦痛の顔をした男の人が浮かんでいました。

そうしている間にも車は流れて、トンネルに近づきます。
後ろからも車がきています、流れに背いて、ここで停止することは完全に無理でした。
「わわわ。」と思いながら、車はトンネルに向かいます。
もう大パニック寸前です。
トンネルの上部の草が多い茂っているところになにかがいる気配がするし
もう私の体全体が警戒しろと騒ぎ立てています。

しかし、ほかの車がトンネルから何もなかったように出入りしているのを見て
なんで普通にいられるんだろう。こんなにざわざわするトンネルなのに。と
本当に違和感を感じたのを覚えています。

そして、ついにトンネルへ突入の瞬間。
あまりの恐怖に、目を開けていられず、
本当はいけないのですが目を閉じてしまいました。
すぐに目を開けたのですが、入ってしまえば何事もなかったのです。
でも、帰りは違うルートで帰ってきました。

店に戻り、事の次第を皆に聞いてもらったところ
あのトンネルは作られた際に崩落事故が起き、たくさんの方がなくなったトンネルだったと教えてもらいました。

あのトンネルはもう二度と通行することはないと思います。