私が高校生の時に体験した話ですが、この話しをするには私が小学生の時の出来事まで遡らなければなりません。

小学生のときの冬休み、翌日は家族でスキー旅行に行く予定で、朝4時に起床することになっていました。「ちゃんと起きれるかな」とちょっと心配しながら、私は二つ上の姉と一緒に布団に入りました。
布団に入り、目をつぶったかどうかというときに姉が「もう起きよっか?」と言うのです。私はまだ寝たばかりなので不思議に思い「もう?」と聞き返すと、「だって今日は早く起きるんだよ」と姉が言います。
それで私は、姉が「早く起きたよ」とふざけて両親に言いに行きたいのかなと思い、起きることにしました。両親のところ「起きたよ」と二人で言いに行くと、「よく起きれたね」と母が笑顔で褒めてくれました。
その反応に私はとても驚きました。私にはほとんど寝た記憶はなかったのに、実際には時間がそれだけ経過していたのです。その小学生のときの記憶は、とても印象深いできごととして、私の中にずっと残っていました。

そ して私は高校生になり、1人で夜中に熟睡していました。すると「もう起きよっか」という姉の声がしたのです。それで私は「あー、あのときの夢だな」と朦朧 とした意識の中でなんとなくそう感じていました。私がまだほとんど昏睡状態で目覚めないでいると、また「もう起きよっか」という姉の声がしました。その時 に私はふと違和感を覚えました。実際には、姉は一度しか「起きよっか」と言わなかったので、過去のできごとの夢だとしたら2回言うのは不自然に感じたので す。しかし、それでも私はまだ夢うつつのまま、そのことを深く考えることはありませんでした。
するとふいに「起きろ!」という恐ろしい声がしたの です。そのときは、声も姉のものではなく太い男の人の声に変わっていました。私は「はっ」として飛び起き、目を開けました。その瞬間両足を引っ張られて、 足元にあった壁が目の前に迫ってきました。私の足が壁を突き抜けて、体半分が外にでてしまっているのです。
「連れていかれる!」と恐怖を覚え、 とっさに私は歌を歌いました。そのようなとき、自分を意識することが大切だと聞いたことがあったのを思い出したからです。私は私だという気持ちでとにかく 意識を失くたくなくて、めちゃくちゃに歌を歌ったのです。すると激しい金縛りにあい、それでも歌を歌い続けるとふいに力が抜け、目が覚めました。

こ の体験がただの夢だったのか、本当にどこかに連れ去られるところだったのか、私にはよくわかりません。とにかく、とても怖くて、起きたときには汗をびっ しょりかいていました。幸い、これ以後似たような体験はありませんが、仰向けで寝るとまた同じようなことが起こる気がして、それ以来仰向けでは寝られなく なりました。